耐震診断 業者の選び方
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耐震診断 業者の選び方

2022年12月25日(日)6:25 PM
世界有数の地震大国と呼ばれている日本。実際、一年を通してたくさんの地震が起きていて、
時に大きな災害に発展することがあります。

災害をなくすことはできませんが、被害を少しでも減らすことは今からでも取り組むことができます。

■耐震診断は、地震へ備えた安全対策の一つ!

地震は身近な災害であり、住宅における安全対策は非常に重要です。
地震による損害や、被害者の多くは、地震発生直後の建物倒壊や家具の転倒によります。
家具等の転倒防止、家の耐震対策など安全を確保しましょう。

耐震診断とは、既存の建物の構造的な強度を調べ、想定される地震に対する安全性(耐震性や、受ける被害)の程度の判定を行うことです。
現在の耐震基準は、阪神・淡路大震災の教訓から、1995年12月25日に施行された「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づいています。
この耐震基準を満たしていない建築物については、耐震診断を行い、耐震補強工事や改修が勧められています。

■耐震診断を請け負う業者の見極め方

一言に耐震診断といっても、「何をすれば良いのか、どこに、どのように依頼すれば良いのかわからない」という人が多いのではないでしょうか。
耐震診断・工事は専門的な知識と高度な技術が必要となります。
業者を見極めないと金銭・工事トラブルに遭ってしまうこともあるので注意しましょう。

昨今、耐震や診断という言葉を利用した詐欺が社会問題となっています。
「地震で家屋が倒れないだろうか?」と、考えるだけで不安になっている人達に
「省庁の依頼により、耐震診断や耐震補強を行っています」
「お宅を拝見させていただき、すぐにでも耐震診断をした方が良いです」など
省庁などの名前を使ったり、業者を装って訪問するケースが増えてきています。

「お金を支払ってしまっても、クーリングオフ出来るので大丈夫じゃないの?」
と思われる人も少なくありませんが、業者の住所や電話番号がデタラメだったら…?
そう思うと、やはり突然訪ねてきた業者を選ぶのは、得策とは言えません。

耐震診断は、大切な住まいや人命を守るための建物の健康診断で、おろそかに出来ません。
耐震診断・耐震補強設計業者の選び方には注意が必要です。

■業者の選び方
①実績がある会社
業者(会社)のホームページなどで過去の実績をしっかりチェックしましょう。
耐震診断や補強設計、劣化診断などに携わった件数の記載や、実際に耐震工事に携わった建物を掲載しており、
豊富な実績がある業者ならノウハウも持っているので、安心して任せることができます。

②建物を設計・施工した会社
耐震診断はその建物を設計した会社、もしくは施工した会社に依頼するのが一般的です。
「大工さんなら耐震の工事もできるのでは」と考える人もいるかもしれませんが、
専門性が必要となるので本格的な耐震工事となると難しいです。

建物を設計・施工した会社に耐震診断を依頼することによって、より正確で詳しい住宅の耐震性を知ることができます。

③地方自治体に相談
市区町村によっては、災害によって起こりうる被害やトラブルを防止するために、業者を登録している場合があります。
ご自身が住まわれている地域に、その登録システムがあるかどうかを確認して見ましょう。

登録されていないからと言って業者として信用に欠けるとは限りません。
耐震診断・耐震改修技術者としての資格を持っていれば、十分信用に値する業者です。
また、耐震診断にかかる費用も自治体によって補助金が出ることもあるので、相談してみることをおすすめします。

■耐震診断の方法や内容、費用について

耐震診断は、自分でできるセルフチェックから専門家による有料の診断など、3つの方法があります。
建築士でなくても可能な「誰にでもできるわが家の耐震診断(簡易診断法)」と、建築士などの建築関係者向けの「一般診断法」と「精密診断法」です。

・耐震診断の方法
住宅の老朽化が気になるという人の多くは、木造住宅であるケースがほとんどです。
簡易診断の対象としている住宅は、1〜2階建ての一戸建て木造住宅で、店舗・事務所等を併用する住宅を含みます。

簡易診断法で、下記10項目について回答した評点の合計から、自宅の耐震性や、家のどの部分が耐震と関係あるのかわかるようになります。

問診10項目
1.建てたのはいつ頃ですか?
2.今までに大きな災害に見舞われたことはありますか?
3.増築について
4.傷み具合や補修・改修について
5.建物の平面はどのような形ですか?
6.大きな吹き抜けがありますか?
7.1階と2階の壁面が一致しますか?
8.壁の配置はバランスがとれていますか?
9.屋根葺材と壁の多さは?
10.どのような基礎ですか?

建築士などの建築に関する知識や経験の有る建築関係者による「一般診断」と「精密診断法」。
一般診断は、耐震改修等の必要性の判定を目的としており、必ずしも改修を前提としない診断方法です。
診断にあたっては原則、内装材や外装材を剥がしたりしません。

精密診断法は、原則として壁を一部解体して調査をしなければ判断することが難しい診断法で、
解体した箇所の復旧工事が必要なため、診断費用も高額になります。
そのため、非破壊調査の一般診断法を推奨しています。

・方法や内容、費用について
耐震診断の費用は、建物規模や建物(木造か非木造)状況にもよりますが、木造住宅の場合、
壁の仕上げ材をはがして隠れた部材を確認するようなことはせず、
図面照合や目視調査する範囲のもので、概ね1棟当たり12万円~25万円程度です。

鉄筋コンクリート造の耐震診断の費用は、延床面積が1,000㎡~3,000㎡の建物で
概ね約1,000円/㎡〜約2,500 円/㎡(現地調査費用も含んだ料金)です。
延床面積が1,000㎡以下の耐震診断料金は概ね2,000円/㎡以上となり、
建物の階数にもよりますが延床面積の大きさと1㎡あたりの単価は反比例します。

鉄骨造では、延床面積が1,000㎡〜3,000㎡の建物で概ね約1,000円/㎡〜3,000円/㎡(現地調査費用も含んだ料金)です。
延床面積が1,000㎡以下の場合、耐震診断料は概ね2,500円/㎡以上となります。

いずれの場合も竣工時の一般図・構造図が存在し、検査済の建物であることが証明可能な場合です。
現地調査項目が多くなり、図面を復元する必要がある場合は、上記の㎡単価を大きく上回ります。

■まとめ

耐震診断は第1〜3次診断まで設けられ、建物の形状や構造特性、劣化度合いなどを考慮のうえ、第1〜3次のいずれかを選択します。
耐震診断を業者に依頼することによって、より正確で詳しい住宅の耐震性を知ることが可能です。

耐震診断にかかる費用も自治体によって補助金が出ることもあるので、相談してみることをおすすめします。
正確な耐震診断をおこなって、地震に強い家にしていきましょう。


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